週末になると、私は具合が悪くなります。
平日は案外動けるのです。締切があれば原稿を書き、AIに指示を出し、返ってきた文章を直す。
ところが土曜日になると、急に頭が痛くなったり、目の奥が重くなったりする。
以前は「休みになって気が緩んだからだろう」と思っていました。しかし、同じことが何度も続くと、別の見方をしたくなります。
週末になって疲れたのではない。
平日に見ないふりをしていた疲れが、週末になって姿を現したのではないか。
最近も、目を使いすぎたあとに頭痛が出ました。夜に一時間半ほど寝たら少し楽になったものの、そのぶん仕事は深夜までずれ込んだ。
休んだつもりが、生活のリズムを後ろへ押しただけです。
AIが減らしたのは、作業であって判断ではない
AIを使い始めてから、仕事は速くなりました。それなのに、頭は以前より疲れることがある。これは少し不思議です。
理由は、AIが減らしたのは「作業」であって、「判断」ではないからでしょう。
一つ頼めば、案が五つ出てくる。どれを選ぶか。事実は合っているか。自分の口調になっているか。もう一度直すか。別の角度を試すか。
AIは疲れません。
だから、こちらが止めなければ、選択肢と仕事をいくらでも増やしてくれます。
パソコンを閉じても、「あの案も試したい」が頭の中に残る。便利な道具ほど、終わりを自分で作らなければなりません。
ここでいう「脳疲労」は、正式な病名として使っているわけではありません。
情報処理、判断、画面の見すぎなどが重なったときに感じる、頭の重さや集中しにくさを、ひとまずそう呼んでいます。
休息の本を読み返すと、共通点があった
本棚にある休息の本を読み返すと、表現は違っても、共通していることがありました。
『不夜脳 脳がほしがる本当の休息』が教えてくれるのは、疲れたときに必要なのは、単に横になることではなく、刺激の種類を変えることだという話です。
仕事の画面を閉じて、SNSの画面を開く。これは休憩ではなく、入力先を替えただけです。
目を閉じる。短く眠る。少し歩く。聞き慣れた音楽を聴く。新しい情報を足さない時間を作る。地味ですが、AI時代にはこの地味さが効きます。
『PEAK PERFORMANCE 最強の成長術』には、「負荷」と「休息」を一組として考える発想があります。休息は、仕事を中断する邪魔な時間ではない。次の仕事を成立させる工程です。
私はここを逆にしていました。
平日に負荷をまとめ、休息の請求書を週末に回していた。土曜日の不調は、休み方が下手だったことへの請求だったのかもしれません。
『世界のエリートがやっている 最高の休息法』から拾いたいのは、体を止めても、頭が仕事を続けていれば休息にならない、という視点です。
ベッドの中で明日の原稿を考える。散歩をしながら通知を見る。風呂に入りながらAIへの次の指示を組み立てる。体は休んでいても、注意は働き続けています。
『なぜ一流の人はみな「眠り」にこだわるのか?』も、睡眠を「今日の残り時間」ではなく「明日の仕事の最初の工程」として扱います。
余った時間に眠るのではない。明日の判断力を作るために、先に確保するのです。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、睡眠不足は日中の疲労や頭痛、注意力・判断力の低下などと関連するとされています。
「疲れたら休む」という基準も、私には合っていませんでした。作業に夢中になっている間は、疲れを後回しにできてしまうからです。
休息は、体調が悪くなったときの応急処置ではない。悪くなる前に予定へ入れておく。そのくらいで、ようやく帳尻が合います。
AI時代の休み方を、四つに決めた
では、AI時代にはどう休めばいいのか。
私がこれから意識するのは、次の四つです。
一つ目は、AIを開く前に終わる時刻を決める
「良い案が出るまで」では終わりがありません。「この記事の構成を決めたら終わり」のように、完成条件も一つにします。
二つ目は、休憩中に別の画面を見ない
数分でも目を閉じる。立って水を飲む。外の景色を見る。短い休憩が疲労感の軽減に役立つ可能性は、研究でも示されています。
休むとは、別の情報を入れることではなく、入力を切ることです。
三つ目は、頭の中の続きを外に出す
次にやる一手だけを書き残して、パソコンを閉じる。「忘れたら困る」が残っていると、頭は仕事を終えてくれません。
四つ目は、回復を週末まで先送りしない
平日の途中に小さな休息を入れ、週末は借金返済の日ではなく、最初から余白として空けておく。
私は週末の一万歩という目標も外しました。具合が悪い日にまで「健康のため」と自分へ仕事を追加したら、本末転倒です。
「なんとなく不調」を記録する
もう一つ、睡眠時間、目の疲れ、頭痛の有無だけは短く記録します。
「週末になると、なんとなく悪い」では対策ができません。
金曜日の夜まで平気なのか。土曜日の朝から重いのか。画面を長く見た翌日に出るのか。三項目だけでも並べれば、自分なりの傾向が見えてきます。
もちろん、頭痛や強い眠気を何でも「AI疲れ」で片づけるのは危険です。
症状が続く、痛みが強い、見え方に異常があるといった場合は、自己流の休息だけで済ませず、医療機関へ相談してください。
週末の休み方より、平日の終わらせ方
AI時代に必要なのは、もっと長く働ける脳ではありません。
速く動ける道具を使いながら、自分はどこで止まるか。その設計です。
AIは、こちらが「もう十分」と言うまで働き続けます。
だから人間の仕事は、上手に命令することだけではない。上手に終了することでもある。
週末になると具合が悪くなる人は、週末の休み方より、平日の終わらせ方を見直したほうがいいのかもしれません。
今日の仕事を終える前に、明日の最初の一手を一行だけ書く。そして画面を閉じる。
脳を休ませる技術は、何かを足すことではなく、仕事をきちんと終わらせる技術なのだと思います。



土曜日に「今日はお休みします」とあったのはこういうことだったのですね。ぼくも睡眠時間は短いのですが、進めたいところをグッとこらえて、何もしない時間を少しは作るようにしています。
こんばんは。
「AIは疲れません」のところで、自分のことだと思いました。
昨日、終わりの条件を決めないまま夜中まで手を動かしていて、今日になって、あれは休憩ではなく入力先を替えていただけだったと気づきました。
上手に終了する、が仕事のうちだとは考えたことがなかったです。